私たちの茶園

長野園の茶園は、地図で確認すると一目瞭然ですが利根川のすぐそばに位置しています。

利根川はこの地域では坂東太郎の愛称で親しまれてきましたが、よく氾濫を起こす暴れ川としても有名でした。

 

洪水で利根川が氾濫すると上流から大量の土砂が運ばれます。

この、栄養分に富んだ山の土砂の恩恵で、長野園の位置する境町百戸近辺は肥沃な土壌となっています。

 

茶畑に出ているとご近所の野菜農家さんに

「お茶はほっとけばいいとおもってた」

と言われる事があります。
いえいえ、柔らかい新芽が次々と出てくる茶園は虫たちにとって大好物。 

しかも放っておけばあっという間に1m以上まで伸びる生命力の強い植物なんですよ、お茶は。


お茶の樹が冬眠する10月後半~2月を除いては肥料をあげたり、

両側や上の伸びてくる葉と枝を落としたり、土を良く混ぜて根が伸び伸びと水分と養分を吸収できるように細かな管理が欠かせません。


当園ではここ数年、茶園の若返りを図るため「更新」を実施しています。 

これは、茶樹を地上から40センチ位のところでバッサリと切るもので、こうするとほとんど葉のない状態になります。 

そんな事をして大丈夫なの?とよく聞かれますが大丈夫。 

2ヶ月もすれば切ったいちより下から新しい芽が出て、いきいきとした枝になっていきます。


この更新の効果は
①新しい枝が出て養分の通り道が活性化される
②根がより深くまで入り、養分を吸い上げる能力が高まる
その結果、5月の新芽が勢いのあるつやつやした品質の高いものになるのです。
いくら製茶技術を磨いてもやはり原料である生葉(摘み取った状態の茶葉)の品質が良くなくてはいいお茶はできません。 

私たちはもっと上質なお茶を皆様にお届けするため、

日々勉強しながら茶園をよりよくするために額に汗して働きます。

 

※ 長野園の製茶フローに興味がある方はこちらをご覧下さい

在来種の茶園

大産地の茶農家さんや茶商さんは見向きもしませんが、私にとってはとても魅力的な茶園です。

昭和30年代以降やぶきた種を中心とする品種茶への植え替えが進んだため、今では全国的にもとても貴重になってしまった在来種。

日本茶のルーツとも言っても過言ではない品種ですが、

今では日本全国の茶園の3%にも満たない栽培面積で、年々減少しています。 

他の品種とは異なり種子から育てた茶の樹で、1本1本の木の性質が異なっているのが特徴です。

 

種から育つ過程で、弱い木は淘汰されてゆくので、土地にあった強いものだけが生き残ります。

 

左側の写真をごらん頂くとわかるように、新芽の出る時期も芽の色もばらばらになり、収穫量が品種茶に比べて少ないことや、 茶商さんがやぶきた偏重の価格をつけた事からすっかり市場から姿を消してしまいました。 

 

でも、自然がブレンドしてくれたこの在来種は独特のコクと深みがあって個人的にはお気に入りの畑です。 

当園ではこの在来種から緑茶だけではなく紅茶もつくっています。

全国的に失われてゆくこの在来種の茶園を大切に守ってゆきたいと思います。

さやまかおり

寒さにとても強い品種で、冬の寒さが厳しいこの地域では欠かすことのできない品種です。 

色がとても濃く、ほどよい渋みが甘いものや脂っこい食事の後の口を

さっぱりとさせてくれます。 

やぶきたにブレンドすると味が引き締まるので重宝しています。

また、新茶の季節に「私は昔風の渋みがしっかりとあるお茶が好き」というお客様がいらした時にはこのさやまかおりをブレンドせずに販売しています。

しっかりとした渋みがあるからこそ、後味にほのかな甘みが感じられる通好みの一品です。

かなやみどり

これも寒さに強い品種です。 

お茶の本には”ミルクのような香り”とありますが、

プロでもなかなかわからないほど繊細な香りです。 

やぶきたとブレンドするとコクがでます。

製茶が難しく、失敗すると どす黒くすっきり冴えのないお茶になってしまいますので

特に蒸しの加減に気をつけて製茶しています。

 

やぶきた

いわずと知れた”やぶきた”種。 品質、香気、色の全てが及第点の優等生で、

今では日本全国の茶園面積のうち、77%以上をこのやぶきた種が占めています
寒さが厳しいこの地域では、茶葉の葉肉が他産地よりも厚くなり、

収穫時期を遅らせると硬くなってしまう傾向があるため、

やぶきた種は特に早めに収穫を行います。

 

 

つゆひかり

平成23年4月に、新たに導入した品種です。

甘みが強く、さわやかな香りを持つ品種です。

近年とても注目されており、地域を上げてブランド化に取り組んでいる品種でもあります。

平成27年春に初めて1番茶を収穫し「一生に一度だけの新茶」として販売致しました。大変ご好評を頂いております。

また、この品種でつくる紅茶はキレのある渋みと深いルビー色、すっきりとした後口でとても好評です。

 

 

 

おくみどり

平成24年3月に、新たに導入した品種です。

おくみどりの”おく”は晩成品種であることを示しています。

晩成品種とは、新芽の成長時期が他の品種よりゆっくりな品種です。

通常、1番茶の製茶スタートが5月上旬だとすると、

下旬のお茶はかなり新芽が大きく、製茶してもゴワつきますが、

この”おくみどり”は後半にいいお茶が出来る茶園になる予定です。

味は、変なクセがなく丸みがあって旨みも強く感じられる品種です。

収穫開始は平成8年を予定しています。